ドラゴンクエストIII 好評発売中

2024年11月14日、ついにHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(以下、『DQIII』)が、スクウェア・エニックスよりNintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC向けに発売された。

ここから始まる、ロトの物語。

多くのゲームファンに愛される不朽の名作『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が新たな映像表現で生まれ変わる。ドット絵と3DCGが融合した美しいHD-2Dの世界で、壮大な冒険へ旅立とう!

◆ストーリー
小国アリアハンの勇敢なる戦士・オルテガの子である主人公は、
16歳の誕生日を迎えたある日、王様から重大な使命を告げられる。
それは、亡きオルテガの遺志を継ぎ、闇の国より現れた魔王・バラモスを倒すことだった。
世界を救うため旅立った主人公を待ち受けていた驚きの運命とは……!?

ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
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ドラクエ3リメイク版の(ざわついている)問題点

ドラクエシリーズのファンと性別表記の意義
ドラクエIIIが発売された1988年当時は、キャラクターが持つ「性別」が物語やゲームプレイにおいて特別な意味を持っていました。ファミリーコンピュータ用のソフトとして登場した当時、限られた容量や技術の中で、キャラクターの「性別」や「性格」は重要な個性付けの手段でした。「男キャラ」「女キャラ」という表記と、それに基づく性格や能力の違いは、ゲーム体験を彩る大きな要素だったのです。

現代のゲームファンの間では、ゲームのオリジナル性やレトロゲームの持つ雰囲気が大切にされる傾向があります。そのため、「男・女」という性別表記を廃止してしまうことに、「オリジナルのゲーム体験が失われる」という懸念を抱くファンが多いのも納得できる話です。性別表記の削除は、ゲームの持つ「レトロな感覚」を損なうものであり、「HD-2D」というビジュアルの懐古的なアプローチと矛盾するとの批判もあります。

多様性配慮とファンの間でのバランス
こうした論争の背景には、「時代に合わせた多様性配慮の必要性」と「過去作品の魅力を守りたい」という両者の間で、いかにバランスをとるかという課題があるようです。スクウェア・エニックスは、このようなリメイク版において、過去のファンに敬意を払いつつ、新しい時代の価値観を反映するという難しい立場に立たされています。

性の多様性を推進する団体の代表である松岡宗嗣さんも、「男女の二者択一は、現実社会の多様な性のあり方を反映できていない」と指摘し、性別表記の廃止を歓迎しています。「特にトランスジェンダーやノンバイナリーの人々のためにも、キャラクターの多様性が必要だ」という意見も一理ありますが、一方で、従来のファンが大切にしてきた「ドラクエらしさ」をいかに守るかという問題も無視できないのです。

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